小市民シリーズ、堂々の完結編とアニメシリーズの感想です。
わりと最近短編集の感想は書いたよな~と思って振り返ってみたら、その記事を書いたのはもう4年前でした。時が経つのは早いものです。
あらすじはAmazonより引用します。
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……
小鳩君に直接降りかかった厄災の原因を小佐内さんが突き止める話です。今回の事件、どうやら約3年前に起きた轢き逃げ事件ともつながっているようで、小鳩君は病院のベットで当時の苦い記憶を少しずつ思い出す…という話でもあります。タイトルや物語の雰囲気はライトノベル風で、学生の青春を描く装いはしているものの、そこはさすがの米澤先生、期待を裏切らないちょっとビタースイートな上質ミステリに仕上がってます。もちろん時折出てくる美味しそうなスイーツ描写も健在です。時間が経って詳細を忘れていても読者をすぐに小市民シリーズの世界観に引き込んでくれます。この本を読む方の多くは春~秋までを読んでいる人だと思いますが、これまで詳しく語られなかった過去の話を中心に書いているので、この冬を最初に読んでから、また春に戻って読むのも面白いと思いますよ。
続けて7月から9月に放送したアニメ「小市民シリーズ」の感想を簡単に。Amazonプライムでおっかけ視聴しました。
春~夏の物語を描いた本作、もう春~夏を読んだのがいつだったかも正確には思い出せない昔のことで、物語のほとんどは忘れてしまっていて、新鮮な気持ちで楽しめました。その中で第2話の「おいしいココアのつくりかた」は、妙に記憶に残っていて、当時小説で読んだことも思い出しました。時代背景とCGは現代風にアレンジされているものの、登場人物や雰囲気は小市民らしさを感じる内容で、原作を読んでいる人も読んでない人も楽しめるのではないでしょうか。ちょっとばかり、小山内さんのキャラはやり過ぎな感はありますが…それもまた一興でしょうか。秋~冬も来年にはアニメ化されるようですので、楽しみにしたいと思います。
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