漫画に比べると読んだ絶対冊数がどうしても少なくなるので、
「活字」と大きく区切ります。要するに漫画以外で読んだ本のベスト10です。
普段本を読まない方には、マンガに比べると敷居が高く感じるかもしれませんが、
私は基本的に「読みやすさ」を重要視してる本が好きなので、
それほど読み難くい難解な本は取り上げてないつもりです。
あくまで自分基準の読みやすさなので、趣味・趣向の影響もあると思いますが、
当ブログの駄文を苦痛に感じず読めるのであれば、
ここに取り上げる活字本は、きっと問題なく読めるはずです。
もし気になる本がありましたらぜひ!
それでは以下、10位より紹介していきます。
第10位:こっちへお入り
帯とあらすじを読んでぼんやりと想像したストーリーは、
主人公のOLが落語を通じて、あらゆる困難な境遇に立ち向かいながら成長していく物語か、
平凡だったOLが落語の才能を開花させ、本物の落語家になるまでの物語。
この二通りだったが、そのどちらでもなかった。
物語は、ごく普通のアラサー独身OLが自分の趣味に落語を加えたことで、
人生をちょっとだけポジティブに考え、生きられるようになる話。
身も蓋もない言い方をしてしまうと、ただそれだけである。
特に何かが劇的に変わるわけでもなく、なにか大きな物語が動くわけでもない。
ストーリーに出てきたいくつかの伏線は投げっぱなしであり、
具体的な解決も結末も示されないまま、物語は終わっている。
しかし、現実は得てしてそんなものであり、何かが劇的に解決したり、
落語を趣味にしたことで、人生全てが好転することもない。
しかし日常にありふれた光景だからこそ、リアリティと親近感を感じ、
遠い夢のような話ではなく、身近にある僅かな豊かさに気付くのである。
そしてストーリーよりも重きを置いているのは、
落語の細かい芸描写や、落語の噺を現実の出来事になぞらえて、
落語の面白さや人の感情を知る場面が繰り変えし描くことで有り、
そこには落語への深い愛が込められている。
夢も希望も目標ないまま社会で何となく生きている人、
落語のことはよく知らないけどほんの少しでも興味のある人、
その他、面白みのない人生だけど趣味の一つでも持ちたい人は、
読めばきっと共感できる小説である。
主人公のOLが落語を通じて、あらゆる困難な境遇に立ち向かいながら成長していく物語か、
平凡だったOLが落語の才能を開花させ、本物の落語家になるまでの物語。
この二通りだったが、そのどちらでもなかった。
物語は、ごく普通のアラサー独身OLが自分の趣味に落語を加えたことで、
人生をちょっとだけポジティブに考え、生きられるようになる話。
身も蓋もない言い方をしてしまうと、ただそれだけである。
特に何かが劇的に変わるわけでもなく、なにか大きな物語が動くわけでもない。
ストーリーに出てきたいくつかの伏線は投げっぱなしであり、
具体的な解決も結末も示されないまま、物語は終わっている。
しかし、現実は得てしてそんなものであり、何かが劇的に解決したり、
落語を趣味にしたことで、人生全てが好転することもない。
しかし日常にありふれた光景だからこそ、リアリティと親近感を感じ、
遠い夢のような話ではなく、身近にある僅かな豊かさに気付くのである。
そしてストーリーよりも重きを置いているのは、
落語の細かい芸描写や、落語の噺を現実の出来事になぞらえて、
落語の面白さや人の感情を知る場面が繰り変えし描くことで有り、
そこには落語への深い愛が込められている。
夢も希望も目標ないまま社会で何となく生きている人、
落語のことはよく知らないけどほんの少しでも興味のある人、
その他、面白みのない人生だけど趣味の一つでも持ちたい人は、
読めばきっと共感できる小説である。
なんで本書を買ったのかはっきり覚えてない(偶然目についたから程度の理由)
のですが、本書を読んだキッカケに、寝る前などのちょっとした時間、
たまに落語を聴く様になりました。ツイッター上でも1回紹介しましたけど、
現代人でも楽に聴ける『メタ落語』というものを一つ載せておきます。
落語だと笑えますが、こんな上司が本気でいるから困るのですが。
第9位:Dropkick(ドロップキック) Vol.5
毎号購読しているプロレス・格闘技雑誌です。
この号の目玉はテレビ番組の企画「ガチ相撲」でした。
同じ著名なお笑い芸人でありながら、テレビタレントとしてのロンブー田村淳、
プロレス・格闘技の一ファンとしての有吉弘行インタビューは興味深いです。
そのガチ相撲にも出演したボブサップの現状は、
ネタとして笑える一方で、UFC以外の格闘技が不安定な状況では、
ある意味で、自分を売り出す賢い選択をしている様にも思えて、
複雑な気持ちになります。振り返れば、ノゲイラとの激闘をしたのが10年前、
こうして生き残っている(?)ことは、興味深い事実ではあります。
その他、五味隆典の「あしたのジョー」幻想が崩れ去ってしまうような、
とんでもない大問題対談、中井りんの衝撃私服(?)やら、見所たっぷりで、
UFC144を選手・関係者・音楽家が語る音声インタビューも付き、大満足の一冊でした。
第8位:刑務所なう。
ホリエモンの獄中手記録。
刑務所から手紙で送っているとのことだが、内容の検閲があるにせよ、
意外と自由が効くのだなという印象。
風呂や日用品所持の制限は、やはりそれなりの厳しさも感じるが。
日記の約半分は、その日の食事メニューで構成されていて、
メニューとホリエモンも語り口から想像すると、
不思議と美味しそうなイメージになる。
ホリエモンファンは、刑務所でも変わらないホリエモンの
奇妙なバイタリティ溢れる思考を楽しめるし、
ホリエモンアンチも、刑務所で些細なことにもがく姿を
コメディとして笑えれば楽しめるかも。
分厚さの割にはさくさく読めるので、ホリエモンにさして興味がなくても、
刑務所の生活にはちょっぴり興味ある人にとっても、暇つぶしにも良い一冊。
ブラックジョークを言えば、まさに「塀の中で読みたい本」である。
刑務所から手紙で送っているとのことだが、内容の検閲があるにせよ、
意外と自由が効くのだなという印象。
風呂や日用品所持の制限は、やはりそれなりの厳しさも感じるが。
日記の約半分は、その日の食事メニューで構成されていて、
メニューとホリエモンも語り口から想像すると、
不思議と美味しそうなイメージになる。
ホリエモンファンは、刑務所でも変わらないホリエモンの
奇妙なバイタリティ溢れる思考を楽しめるし、
ホリエモンアンチも、刑務所で些細なことにもがく姿を
コメディとして笑えれば楽しめるかも。
分厚さの割にはさくさく読めるので、ホリエモンにさして興味がなくても、
刑務所の生活にはちょっぴり興味ある人にとっても、暇つぶしにも良い一冊。
ブラックジョークを言えば、まさに「塀の中で読みたい本」である。
私はホリエモンのことは好きでも嫌いでもないですけど、
ライブドア事件の顛末含めて、人物的な興味はある…みたいな感じです。
姿勢を正して真面目に読む様な本じゃないのは確かですが、
肩の力を抜いて「へ~。刑務所で(ホリエモン)はこんなことしてるのか~」と、
暇つぶしにパラパラめくってざっくり読むにはちょうどいい本かと。
第7位:十二人の手紙
十二の手紙から綴られる数奇な物語。
「手紙」という今となっては古風な伝達手段からは、
時代を感じさせる描写や言葉遣いは多く出てくるが、
ミステリーとしての趣向や物語の質は、決して古臭くない。
むしろ「赤い手」の手法は新しささえ感じた。
他にも、オチに皮肉が効いて笑える「葬送歌」
連続どんでん返しが見事な「ペンフレンド」
心理サスペンスに近い「隣からの声」
など、それぞれの短編だけでも完成された面白さがあるが、
最初から順に通して読んでいくことで、
長編ミステリーとしても完成されている。
エピローグを読んで初めて気付く、
物語同士の意外な接点には驚かされた。
「手紙」という今となっては古風な伝達手段からは、
時代を感じさせる描写や言葉遣いは多く出てくるが、
ミステリーとしての趣向や物語の質は、決して古臭くない。
むしろ「赤い手」の手法は新しささえ感じた。
他にも、オチに皮肉が効いて笑える「葬送歌」
連続どんでん返しが見事な「ペンフレンド」
心理サスペンスに近い「隣からの声」
など、それぞれの短編だけでも完成された面白さがあるが、
最初から順に通して読んでいくことで、
長編ミステリーとしても完成されている。
エピローグを読んで初めて気付く、
物語同士の意外な接点には驚かされた。
格闘技雑誌「DropKick」のウェブサイトで連載中のコラム
笹原圭一の『月曜日は夢の書評』にて紹介された本です。
今回のベスト10で紹介する本の中には、笹原さんの書評を読んで知り、
買って読んだら面白かった本が、この本を含めて計4冊も含まれてます。
今のところ、外れなしの圧倒的なヒット率なので、
笹原さんのことを密かに「読書の師」と仰いでます。
たぶん当ブログをご覧の皆さんにとっては、「笹原さんってどなた?」という
感じだと思われるので説明すると、DREAMのイベントプロデューサーとして…
あ、でもDREAMは現在は……、ちなみにDREAMというのは………、
うーん、やっぱり十重二十重の説明が面倒なので、すみませんが詳しくはググって下さい(笑)
第6位:将棋の子
プロ棋士になるための登竜門「奨励会」に在籍していた一人の奨励会員、
成田英二を中心にしたノンフィクションのルポ。
プロになるための制度が持つ厳しさの中にある、奨励会員達の苦悩と一瞬の輝き、
それに挑み、時に救われ時に破滅しながら、夢と現実の狭間でもがく様子を
身近で見てきた筆者の視点から濃密に描かれている。
とりわけ成田の物語は、奨励会に入るまでの神童的なエピソードと、
奨励会退会後に待つ圧倒的な現実のコントラストが激しく、感情を揺さぶられる。
幼い頃から将棋に全てを賭け、その過程と結果で全てを失った人生は、
あまりにも切なく、どうにも救いがない様にも思える。
しかし、ただ挫折だけを描いた悲しみのルポでないことは、
最終章とエピローグまでを順に読めば分かるはず。
何かに真剣に挑んだ人にとって、それは決して無駄にはならない。
タイトルの「将棋の子」とは、それを示したアングルとして、
本書に出てくる奨励会を生きた全ての登場人物への敬意と、
明日への希望を込めた称号だろう。
成田英二を中心にしたノンフィクションのルポ。
プロになるための制度が持つ厳しさの中にある、奨励会員達の苦悩と一瞬の輝き、
それに挑み、時に救われ時に破滅しながら、夢と現実の狭間でもがく様子を
身近で見てきた筆者の視点から濃密に描かれている。
とりわけ成田の物語は、奨励会に入るまでの神童的なエピソードと、
奨励会退会後に待つ圧倒的な現実のコントラストが激しく、感情を揺さぶられる。
幼い頃から将棋に全てを賭け、その過程と結果で全てを失った人生は、
あまりにも切なく、どうにも救いがない様にも思える。
しかし、ただ挫折だけを描いた悲しみのルポでないことは、
最終章とエピローグまでを順に読めば分かるはず。
何かに真剣に挑んだ人にとって、それは決して無駄にはならない。
タイトルの「将棋の子」とは、それを示したアングルとして、
本書に出てくる奨励会を生きた全ての登場人物への敬意と、
明日への希望を込めた称号だろう。
これも7位と同じく笹原さん推薦の一冊です。
実は私も小学生の時、奨励会に入ろうとしていた、、と言うと誇張ですが、
学校の将棋クラブで上級生に勝つ程度には打てたので、
ほんの少しだけ「棋士」への憧れはありました。「騎士」を名乗る前の大昔です(笑)
当時は奨励会の実態なんてつゆ知らず、また将棋の強さも
全国的に見たらまるで大したことなかったので(それでも今よりは強い気がする)、
夢のまた夢に終わりましたが、本書を読むと「生きる世界が違う」ことを実感します。
10年近く前の本なので、書店に当たり前のように置いてないのが残念ですが、
少しでも将棋を打ったことのある人はもちろんのこと、
将棋のルールを分からない人でも興味深く読める、
現実の厳しさ・切なさから希望を見出す感動のノンフィクションだと思います。
活字編5位~1位の記事に続きます。
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