2012年上半期漫画編の5位~1位を一挙発表します。
10位~6位は別記事をご覧下さい。
それでは早速より5位より、カウントダウン!
第5位:鉄風(5巻)
非常に面白い女子カク漫画です。
が、読んで面白いと思える人を選ぶ漫画であることは付け加えておきます。
まず女子カク(しかもMMA)というジャンルがマイナーであることの取っ付き難さですが、
これは丁寧な描写がされているので、知識が無くてもさほど問題ないと思います。
「ちはやふる」だって、カルタの知識なくても楽しめるのと変わりません。
しかし、「ちはやふる」と決定的に違い、またこの漫画の面白いところは、
主人公である石堂夏央の性格が歪みきっていることです。
これがクールだとか、ヤンキーだとか、ツンデレとか、ありきたりな生易しいものでなく、
異質に歪んでます。簡潔に書くと「屈託ない熱血スポ根少女(まさに千早の様な)を
ボコボコにしたい」欲求から格闘技を始め、本当に才能だけで経験者を蹴散らし、
「ああ、つまらない」と嘆くのです。本来ならば主人公にボコられるべき悪役ですよ。
人によっては不快感すら感じるかもしれません。
スパイラルの鳴海清隆っぽい…と書けば、識者の方には少し分かっていただけるかも。
しかもこの主人公だけでなく、登場するキャラのほとんどが、
様々な方向の異常性を放っているのが、作品の異質な魅力になってます。
読み進めていけば、それぞれの裏事情が紐解けはじめ、
主人公石堂夏央の成長と変化も感じ取れるので、アクが強いだけの漫画ではないです。
ひねくれてることを自覚する方は読んでみてはいかがでしょうか。
同ジャンルの格闘技マンガ(男子のですが)「オールラウンダー廻」と併せて、
同時期に読んだのですが、鉄風のインパクトが優り、
個人的な趣味・趣向の好みもあって、こちらを紹介しました。
「オールラウンダー廻」の方は、正統派の本格MMA漫画なので、
一般的なスポ根格闘技を読みたい方には、そちらをオススメします。
第4位:ジョジョリオン(2巻)
【2012年上半期】ブクログマイランキング 漫画編ベスト10(5位~1位)
第1巻に続き、謎と伏線が散りばめられながら、
静かに進行していく物語に、ジョジョらしい「奇妙」な
面白さが色濃く出ている。
以下、若干のネタバレを含むが、あらすじを記載。
吉良吉影と思われていた家の住人は3日前に死亡していた。
しかし、記憶を失った謎の男子の正体は、
DNA鑑定の結果、95.8%の確率で吉良吉影と同一人物と判明。
さらに死亡した吉良吉影の○○を謎の男子が所持している…?
謎の男子は「東方定助」として東方家の養子になることに。
待ち受けていたのは、一癖も二癖もある東方一族と使用人の面々。
そして「父親からの言いつけは絶対」と命じられる中、
定助に第一のスタンド使いが迫る!
吉良吉影と判定された人物の名前が東方定助と名付けられ、
使用人の名前が「虹村さん」であることも妄想をくすぐる。
閉鎖された「一家」という空間でのスタンドバトル(知恵比べ)は、
第4部のファンとしては垂涎の展開。付け加えて、アダルトチックな
シーンの挿入が、青年誌連載の特権として彩る刺激となっている。
定助は秘密が隠された東方家の面々とどう向き合っていくのか、
そして今は影からサポートしてるだけの康穂の成長物語も気になる。
静かに進行していく物語に、ジョジョらしい「奇妙」な
面白さが色濃く出ている。
以下、若干のネタバレを含むが、あらすじを記載。
吉良吉影と思われていた家の住人は3日前に死亡していた。
しかし、記憶を失った謎の男子の正体は、
DNA鑑定の結果、95.8%の確率で吉良吉影と同一人物と判明。
さらに死亡した吉良吉影の○○を謎の男子が所持している…?
謎の男子は「東方定助」として東方家の養子になることに。
待ち受けていたのは、一癖も二癖もある東方一族と使用人の面々。
そして「父親からの言いつけは絶対」と命じられる中、
定助に第一のスタンド使いが迫る!
吉良吉影と判定された人物の名前が東方定助と名付けられ、
使用人の名前が「虹村さん」であることも妄想をくすぐる。
閉鎖された「一家」という空間でのスタンドバトル(知恵比べ)は、
第4部のファンとしては垂涎の展開。付け加えて、アダルトチックな
シーンの挿入が、青年誌連載の特権として彩る刺激となっている。
定助は秘密が隠された東方家の面々とどう向き合っていくのか、
そして今は影からサポートしてるだけの康穂の成長物語も気になる。
本編とはあまり関係の無い余談を。
ジョジョ第8部は文句なしに面白いのですが、
ジョジョに新規ファンを取り込むのって、なかなか難しいですよね。
今更第1部から読み始めるキッカケもなかなかないだろうし、
第1部から読むと挫折してしまう気持ちは分かりますし、
「第3部あたりから読んでも面白い」と薦めても、途中から読むのが抵抗あるのも分かります。
第一、読む人を相応に選びますしね。
ジョジョは主要キャラの性格やストーリーは極めて正統派だと思いますが、
独特の絵柄とストーリーの狭間にある奇妙な描写は、
人によってはどうやっても受け付けないかもしれません。
1度味わってクセになると、抜け出せなくなる中毒性がある面白さで、
周りに広めたいのだけど、それがなかなか難しい漫画、それがジョジョです。
第3位:ラストゲーム(1巻)
この漫画の魅力は、毎月のLaLa感想で書いてるので詳細は割愛しますが、
純粋なラブコメの面白さでは、個人的にLaLa内でぶっちぎり№1です。
20年前ほど前の「姫ちゃんのリボン」、10年ほど前の「だぁ!だぁ!だぁ!」
そして現在の「ラストゲーム」、これを至極の三大ラブコメ少女漫画(アニメ)とします。
LaLaを買ってない未見の方も、ぜひぜひ1度試しに読んでみてください。
Wツンデレ(互いに不器用で素直じゃなくてすれ違いを重ねる)ラブコメが
好きな方なら間違いなくハマると思います。九条や柳に好感持てれば尚更です。
どっちもドンピシャのストライクなため、感情移入度MAX状態です。
もしかすると小型の書店には置いてないかもしれませんが、
密林などのネットショップから取り寄せてでも買う価値があると断言します。
第2位:シグルイ(最終巻)
この漫画についての詳細を一から十まで述べると、
それだけで一つの記事になるぐらい長くなりそうなので、
どう取り扱って書くべきか難しいのですが…。
あえて、ストーリーについては全く説明しないまま書こうと思います。
当ブログのアンケート結果を見る限り、女性の方が多く読んで下さってるみたいなので、
はっきり言ってオススメはしません。5位の「鉄風」、4位の「ジョジョ」が霞むぐらい、
とてつもないアク、極端に言えば「毒入り」な超刺激的漫画です。
10人中9人ぐらいは受け付けないと思います。キャラも絵もストーリーも何もかも(笑)
超級者の方には、これをBL漫画として読める人もいるかもしれませんが…。
そんなわけでオススメはしないのですが、私はめちゃくちゃ面白かったです。
高校生の時に読んだカイジ以来の天啓を受けた様な衝撃がありました。
口コミで知ったのですが、「こんな作品が世に存在していたのか!!」と、
それまで全く知らなかったことを残念に思うと同時に、
たぶん成人を迎えてなかったら、読まなかった(読めなかった)と思うので、
読んだ時期的には、今が丁度良かったかもしれません。
しつこいようですが、当ブログとしては改めてオススメはしないので、
ただ、自分が面白かった、衝撃を受けた意味だけでランクインさせてますが、
もしこの作品の面白さが分かる方がいればぜひ語り合いたい、そんな漫画です。
第1位:それでも町は廻っている(5巻)
栄えある2012年上半期の1位はこの漫画です。
2位と違って、こちらは老若男女誰にでもオススメできます。
衝撃度では2位の「シグルイ」が遥かに優ってますが、
1位がオススメできないのもどうかと思い、こちらの作品を1位にしました。
作品のベクトルは全く違いますが、面白さの魅力として差はないですし。
主人公の嵐山歩鳥を取り巻く日常を、ユーモアとSF要素を織り交ぜながら、
緩やかに淡々と、基本温かいけどほんの少し切なさも交えながら描いている作品で、
なんてことはない出来事を基にした話が多いのですが、読後感がとても良いのです。
特に今回代表して掲載した5巻は珠玉の面白さでした。
『俺たちは機械じゃねえ!』の回で描かれる紺双葉のセンチメンタルな日常風景には、
やたら共感しました。私が女だったら紺みたいな子になってたかも…と思えるほどに。
いつぞや書いた、夢の「屋上でパン」も再現されてます。
『夢現小説』の回で描かれるのは、寝不足歩鳥の現実と夢がごちゃ混ぜになる、
静姉を中心にしたミステリアスな話で、読者に想像を促させてくれます。
歩鳥がうな重を食べる描写がたまらなく美味そうで、それだけで引き込まれます。
そして5巻のメインディッシュになっているのは、「メッシーの謎」です。
『卒業式』の回で軽い伏線として謎を炙っておき、
(この話で歩鳥が小学校に対して感じた心象風景もすこぶる良いです)、
『学校迷宮案内』の回で、歩鳥の弟である猛が、現役小学生として歩鳥の言葉通り、
謎に向かっていくストーリーテリングは見事な技法です。
何よりも、この話のオチには軽く鳥肌が立ちました。
詳しく書くとネタバレになるので控えますが、とにかく読んでみて下さい。
全編を通じて大きなストーリーがあるわけではなく(いわばこち亀的な感じ)、
話の時系列がバラバラな作品なので、いきなり5巻から読んでも楽しめると思います。
アニメは漫画のしっとりとした静かな雰囲気とは違って、
ドタバタコメディ感がありますが、これはこれで楽しめます。
オープニングとエンディング、あと最終話の演出はすばらしい。
以上が10位~6位の記事と併せて漫画編のベスト10でした。
我ながら、とてつもないカオスなラインナップですね(笑)
特にベスト3はそれぞれの方向性がバラバラのメチャクチャです。
この陳列から人物像を探ろうにも、性別・年齢・趣味趣向全て判断できず、
心理学の先生でもカウンセリングにちょっと困るのではないかと。
単純に「面白い!」と思った作品を紹介してるだけなのですが。
明日は活字編のベスト10を紹介します。
もちろん、そちらもカオスなラインナップになりそうです。
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