戦極について

戦極が継承するものは何か。


人はいつでも移り気なもので、『格闘技雑談(2/3迄)』の記事の時点では、
戦極は化ける、むしろ3月15日は大丈夫なのかなどと書いていたわけですが、
その後の大連立の会見により、またも立場は逆転してしまいました。

ただ、少なくとも戦極の旗上げ大会のカード自体は、
前回から評価は不変で、出来うる限り最高クラスのカードを揃えたことに変わりはないです。
菊田VSバローニの消滅も、バローニの動向は大分前から胡散臭かったので、
(そもそも本当に体重を落とせたかどうかすら、未だに私は怪しく思ってますが)
菊田選手は気の毒ですが、想定の範囲内として、それほど気落ちはしませんでした。

その後に発表された3カードも、出場する選手やカードに大きな疑問はなく、
五味選手のカードはもちろんのこと、他2カードもそれぞれ楽しみです。
藤田選手に関しては、モンソン戦前も複雑な胸中があって、その結果があれだったので、
今現在はPRIDE,34前よりも、一歩か二歩ぐらい冷めてしまっているのですが、
日本の数少ないヘビー級ファイターとしての意地は見たいですね。


ということで、出揃った7カードに対しては、心配もないですし、
むしろ、最初の想像よりも数段興味深い、良いカードが出揃いました。
異種格闘技戦をコンセプトにするとかいう話を聞いた時は、大丈夫か?と思いましたから。

しかし、何よりもダメージが大きいのは、やれんのか!スタッフの演出が
正式になくなった点に尽きますね。年明けに、協力が発表されたからこそ、
戦極が『PRIDE』、やれんのか!の夢の続きになるのではないかという
機運が高まった感があったわけで、それが消えただけでなく、DREAMが大々的に、
その続きであると発表された以上、戦極のコンセプトは考え直す必要があります。

ただ、あの演出がないから、もうダメだと言っているわけではありません。
もし演出を除けば、DREAMよりも戦極の方が『PRIDE』に近く、
会場の熱も高かった場合は、やっぱり戦極が継承したという評価になるかもしれません。
出る選手だけ見れば、DREAMと戦極の『PRIDE』継承率に決定的な差はありません。

よって、戦極が早急に考えなければいけないのは、選手や演出のことよりも、
『線になるストーリーを創る』ということでしょうね。
DREAMは、16人制のトーナメントを二つ開催することで、
最初から分かりやすく、今後への道を創っています。
対して、戦極はこの旗上げ大会が終わった後に繋げるものはまだ見えてきません。
隠し玉と言える選手を、次の大会まで隠している可能性もありますが、
それも結局、単発で出て終わりみたいになっては意味がないと思います。

DREAMとはっきり手を組めば、色々と楽にはなるでしょうけど、
どっちも旗上げをしていない状況で、手を組むだなんだと言っても、
「わざわざ二つに分かれる必要があるの?」という疑問の答えになりません。
DREAMと真っ向から対立するのか、ゆくゆくは対抗戦に向かうのか、
あくまで『PRIDE』の継承を目指すのか、全く別の方向性に進むのか、
旗上げ大会で答えが見えるか分かりませんが、一つの注目点です。


最後に、五味選手に関して書いておきます。
DREAM関連の記事では、ライト級GPに出ないのは残念だ等と書きましたが、
総合格闘技全体や、大会論の観点から見れば、出て欲しかった気持ちもありますけど、
もう一方で、個人的な感情として、彼の不器用でアンチ世間の流れ的な選択に、
ある種、赤いパンツに代わる、哀愁漂う頑固者の気質が見え始めて、
共感と言ったらおこがましいですけど、別枠で応援したい気持ちもあるのです。
五味選手のエネルギーの一つとして、VS石田の煽りでも見れた、
「仲良くやってる場合じゃねえだろ」という、群集意識に対するコンプレックスと
反骨心があるでしょうから、こういう時の五味選手は爆発しそうな気がしますね。

実際のところ、なぜ戦極を選んだのか、DREAM側と確執はあるのかなど、
色々と疑問が湧く部分もありますが、この復帰戦で何か答えを見せてくれるかもしれません。
できれば、かつての武士道のように、今年は戦極で圧勝に次ぐ圧勝で勝ち、
怖すぎる五味のまま、大晦日にDREAMのライト級GP優勝者とぶつかって欲しいです。


開催まで残り約1週間、後は勝敗予想をやって、当日を待ちます。
感想記事については、日程が定かではないですが、もちろん書きます。
DREAMのカード発表も、そろそろ来ると思いますが、さて・・・。

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