ミルコ・クロコップ

2002年大晦日の猪木祭り・・・。

私は祖母の家で皆が紅白歌合戦を見ているときに隣の部屋で
一人で観戦していた。

その大会の藤田和裕 VS ミルコ・クロコップ
で私は藤田選手を応援していた。感動的VTRが流れたし、その時は
ミルコのファンでも無かった。
試合はミルコの完封勝ちだったが、私は「なんだよ」と思って、あまり
良い気分ではなかった。
思えばあれが初めてミルコという存在を強く意識した日だったかもしれない。


その後2003年11月のミドル級GP決勝戦までミルコは無敗を続けた。
そう、あの日のノゲイラに敗れるまで。

私は結果は知っていたものの、その時のビデオを後日見た。
もちろんミドル級GPの試合も興味はあったのだが最大の焦点は

ミルコ・クロコップ VS アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ


の試合である。当初ミルコは総合転向後も無敗を誇っており、
一体誰がミルコを止めるかで注目は集まっていた。本来なら
この時ベルトをかけてヒョ-ドルと闘うはずだったミルコは、奇しくもヒョ-ドルの
怪我で相手がノゲイラに変更となった。(暫定王者のベルトは提示されたが)

私は何の迷いも無くノゲイラを応援していた。
いいかげんミルコの無敗記録を誰かに止めて欲しいと思っていた。
だから先に結果を知った時も嬉しかったし、どんな風に勝ったのか
見るのが楽しみだった。

しかし、実際その試合見ると鳥肌が立つとはこの事で
想像を遥かに超える凄い闘いだった。

1R、とにかくミルコの打撃と蹴りを耐えて耐えて耐え忍んだノゲイラは2R開始
直後にテイクダウンを奪い、腕ひしぎ逆十字固めで大逆転勝利を収めた。

私は確かにこの奇跡の逆転を見て、ノゲイラは凄い!と思ったが、それと
同時の負けて、肩を落とし膝をつくミルコにも同じぐらい賞賛の気持ちがあった。

そこからミルコは次の年の2004年ヘビーGPのために、
ロン・ウォーターマン、山本 宜久をわずか2週間の内に二人破り
磐石の態勢でヘビー級GP1回戦に臨んだはずだった・・・・・。


そして2004年で最も劇的だったあの対戦

ミルコ・クロコップ VS ケビンランデルマン

が行われた。


事前の試合の予想では9割を軽く越える割合で、ミルコ勝利に予想がされていた。
私も当然のごとき「1回戦はとりあえず準備段階」という感じで、決勝でのトップ3の
ぶつかり合いを夢見ていた。

しかし結果はあの衝撃のKO負けだった。
その時も当日放送はされなかったために、インターネットを通じて試合結果だけでも
見ていたのだが、公式サイトに出ていた文字に私は思わず声を出してしまった。

後日結果を知りながら、その試合を見た時も放心状態だった。
本当にまさかのKO負けである。ノゲイラに負けた時とは訳が違う。
私はその時はあまり考えなかったが、その時に既にミルコのファンに
なっていて、やたら悔しかった。

ただ、あのままミルコが失意で急に弱くなったり、K-1に戻ってしまったら
私は今ほどミルコのファンにはなっていないだろう。その後ミルコは非常に
気持ちが分かるのだが、負けた気持ちを収まらずそのわずか1ヶ月後に
金原弘光を判定で、万全の体制ではないながらも破り勝利を得た。

そこからミルコの大逆襲が始まる。
ヒョ-ドルの弟をKOし、ランデルマンに秒殺でリベンジ。
コールマンにタックルを1度を決まらせずに、より完璧になって復活したのである。
そして先日遂に、ヒョ-ドルとの対戦の確定を手にしたのだった。

私はミルコには格闘技の面白さや厳しさを数え切れないほど見させてもらった。
ミルコがPRIDEに居なかったら、おそらくここまで格闘技にはまることも
無かっただろう。 
私はほとんどの選手は好きだし、嫌いな選手の方が少ないぐらいだけど、
「一人だけ一番好きな選手は?」と聞かれたら絶対にミルコ・クロコップと
答える。 


いよいよ2005年8月・・・。無冠の超人がベルトを賭けて戦うのである。
その予想はまた次回に・・・。

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